toggle
programs_examples

市場参入支援プログラムの具体例

市場参入支援プログラムの具体例

【市場参入支援プログラムの具体例(PDF)】

  1. 市場参入支援プログラム(特許ポートフォリオの構築)
  2. 市場参入支援プログラム(ライセンス・クロスライセンス・権利消滅の方策)
  3. 市場参入支援プログラム(必須特許の作り込み・競争優位の確保)
  4. 市場参入支援プログラム(特許権の開放(デファクトスタンダード化)による市場拡大)
  5. 市場参入支援プログラム(オープン・クローズ戦略)
  6. 市場参入支援プログラム(オープン・クローズ戦略)
  7. 市場参入支援プログラム(オープン・クローズ戦略)
  8. 市場参入支援プログラム(性能試験標準による自社製品の差別化)
  9. 市場参入支援プログラム(性能試験標準による自社製品の差別化)
  10. 市場参入支援プログラム(認証制度の構築/ブランディング)
  11. 市場参入支援プログラム(ノウハウ保護(非特許出願)計画の構築)
  12. 市場参入支援プログラム(契約マネジメント)
  13. 市場参入支援プログラム(海外展開時の知財計画の提案)
  14. 市場参入支援プログラム(知財権ミックス)

1.市場参入支援プログラム(特許ポートフォリオの構築)

3Dプリンタの特許ポートフォリオを構築する場合の例

・例えば、精密機器メーカが以下で示す3Dプリンタを構成する技術に関して製品の製造販売を行う場合においては、機構・駆動系制御・環境制御・材料噴射機構等の技術に関して、特許ポートフォリオを構築することで参入障壁を構築することができる

・一方、例えば、ソフトウェア開発メーカや画像処理メーカが3Dプリンタを構成する技術に関して製品の製造販売を行う場合においては、3Dデータ処理を行うソフトウェア技術に関して、特許ポートフォリオを構築することで、参入障壁を構築することができる

・このとき、自社のポートフォリオをどのように構築すべきかについては、他社の技術開発動向や特許取得動向を見据えて検討する必要がある

 

2.市場参入支援プログラム(ライセンス・クロスライセンス・権利消滅の方策)

・音響機器メーカの甲は、ライバルメーカの乙が有する音声圧縮技術Aを用いた製品を製造販売したいと考えている。
・しかし乙は、当該技術Aについて特許権Pを有しているので、甲は音声圧縮技術に関する市場になかなか入り込めない。
・このような場合に甲は、以下のような対策を講じることが考えられる。

ここが肝心!

・甲は、上記①~③のいずれかの方策を講じることによって 市場に参入することはできるが、当該市場で競争優位を構築するには、音声圧縮技術に関する必須特許を取得することを検討する必要がある(ここが乙との差別化のポイントとなる)。

 

3.市場参入支援プログラム(必須特許の作り込み・競争優位の確保)

※必須特許:その市場における実施の事業に必須となる特許であって、自社のみならず他社も実施することが予想される実施の態様も広く含まれる特許のことをいう

 

4.市場参入支援プログラム(特許権の開放(デファクトスタンダード化)による市場拡大)

・導入の初期段階では、市場を形成して拡大させるために、特許権の無償開放を行って、デファクトスタンダード化を図る

・その一方で、無償開放のみでは利益が出ないから、他社と差別化できる技術を作り込んでおく必要がある

 

5.市場参入支援プログラム(オープン・クローズ戦略)

・デンソーは、二次元コードである「QRコード」(登録商標)に関する技術について標準化を行うと共に、特許権も取得している(標準必須特許)。この標準必須特許に関して、デンソーは特許権不行使の宣言を行って、二次元コードに関する特許発明の実施をオープンにしている。
・一方、二次元コードをスキャンして二次元コードに埋め込まれた情報を読み取るコードリーダについて取得している複数の特許権に関する特許発明については、実施を認めておらず、デンソーだけが実施をすることができる。デンソーは、このコードリーダの製造販売によって、二次元コードの情報処理技術に関する市場で独占的な地位を築き上げて、大きな利益を得ている。

 

6.市場参入支援プログラム(オープン・クローズ戦略)

・インテルは、North BridgeとSouth Bridgeとの間のPCIバスを標準化したうえで、PCIバスに関する技術の実施をオープンにしている。
・一方、North BridgeとCPUとの間のインターフェースはクローズ化して、インテルのCPUのみが接続できるような仕様としている。
・標準化されたPCIバスをパソコンに搭載する以上は、パソコンメーカはインテルのCPUを搭載せざるをえなくなる。インテルは、このCPUの製造販売によって、CPUに関する市場で独占的な地位を築き上げ、大きな利益を得ている。
・更に、インテルのCPUを搭載したパソコンのみに「intel inside」の商標をつけることを認めることで、商標に認証機能を持たせて自社製品のブランド化を図っている。

 

7.市場参入支援プログラム(オープン・クローズ戦略)

【パターン1(開示/非開示型)】

・明細書に記載する実施例と記載しない実施例とに分けて、記載する実施例は公開されることからオープン(開示)となり、記載しない実施例はノウハウ保護することでクローズ(非開示)となる。
・明細書に記載する実施例は、他社に対してライセンスをすることが可能であり、自社技術の市場への普及やロイヤリティによる直接的な利益確保を図ることができる
・ノウハウとして保護する実施例が、明細書に記載する実施例に対して技術的な効果が高い場合には、ノウハウ保護した実施例を実施できるのは自社のみであるから、他社に対する優位性を構築することができる
・この製品の性能を測定する性能試験標準を設定することも一策である

【パターン2(許諾/非許諾型)】

 

8.市場参入支援プログラム(性能試験標準による自社製品の差別化)

【発光塗料】

1.技術及び事業の概要

・当社は、塗料の製造販売を行う事業者である
・このたび、当社は、他社製品に比べて残光時間が大幅に長時間となる発光塗料Aを開発した
・この発光塗料を売り込んでいくための戦略を構築する必要がある

2.標準を用いた知財戦略

・発光塗料Aを製造することに適した製造装置については特許権を取得して、他社が発光塗料Aを容易に製造できない状態としておく
・一方、発光塗料Aの性能を評価する試験方法については標準化を図り、他社製品に対して自社製品である発光塗料Aを有利な方向に差別的に評価できるようにしておく
・発光塗料Aが他社製品に対して有利に差別的に評価されることによって、発光塗料Aのブランド化が図られるとともに、他社のキャッチアップを困難にすることができる
・このとき、発光塗料Aに特許権を取得してしまうと、性能試験の標準化ができなくなる可能性があることに注意を要する

 

9.市場参入支援プログラム(性能試験標準による自社製品の差別化)

【スポット溶接装置】

1.技術及び事業の概要

・複数枚の鋼板を接合する技術としてスポット溶接装置が知られている
・当社は、スポット溶接装置のような生産技術を製造販売する事業者である
・スポット溶接では、電極1と電極2との間の通電により溶融した溶接部であるナゲットの径が大きくなると、溶接強度が増大する
・当社は、スポット溶接装置における溶接強度を増大させる以下の技術を有している

【技術1】通電時間を制御してナゲット径を大きくする(リバース可・・・特許権1)
【技術2】溶接電流を制御してナゲット径を大きくする(リバース可・・・特許権2)
【技術3】電極の加圧力を制御してナゲット径を大きくする(リバース不可・・ノウハウ保護)

2.標準を用いた知財戦略

・当社のスポット溶接装置に関する技術を活かせる戦略を組み立てる
・スポット溶接装置の性能を測定する試験について標準化を行う
・具体的には、スポット溶接装置によるナゲットの径を測定する試験を標準化する

3.ビジネスモデル

・技術1で実現できるナゲット径の等級はCであり、技術2を実現できるナゲット径の等級はBであるから、技術1の特許権1を無償開放して市場を形成し、技術2の特許権2についてはロイヤリティを徴収する
・市場の形成が進まないようであれば、特許権2までを無償開放する
・技術3のノウハウについてはクローズ化して、当社のみが実施できるようにして差別化を図る

 

10.市場参入支援プログラム(認証制度の構築/ブランディング)

【認証機能としての商標の活用】

・その商品・産品のもつ特質に着目し、その特質を最大限に引き出すことができる品質等の基準を試験機関と共同で作成する。
・作成した品質等の基準をクリアした商品・産品のみに、その基準をクリアしたという証としての商標を付すことを許可する。
例)糖度○%を超えた●●産の商品・産品のみに、商標「●●●●」を付すことを許可する

→商品・産品の品質が保証され、ブランド力が更に高められる

<認証機能として商標が使用されている例>

【ブランディング】

・一例として、上記した性能試験標準を確立して他社製品との差別化を図った自社製品の性能や機能について商標権を取得してブランド化を図る(テクノロジーブランディング)。
・他の例として、特徴的な物品の形状について意匠権として保護するとともに、その形状を図案化した商標を商標権として保護する(知財権ミックス)。
→意匠権もブランディングのツールとして用いることができる
例)自動車のフロントグリルの商標

・その他、製品やサービスの特徴部分と商標とを連携させて、製品・サービスのブランディングを図る。

 

11.市場参入支援プログラム(ノウハウ保護(非特許出願)計画の構築)

【ノウハウ保護の目的】

・他社と差別化できる技術について、自社のみが実施できる状態を作り出すことにより、市場における優位性を確保する
・オープンクローズ戦略のクローズ部分の構築に資する

【ノウハウ保護の対象】

・市場において実質的にリバースエンジニアリングできない技術であったり、進歩性に乏しい技術であったりする場合などは、ノウハウ保護の対象となる
・一方で、リバースエンジニアリングできる技術であったり、他社が権利化しそうな技術であったりする場合などは、特許出願する
・ノウハウ保護をしている技術が他社にキャッチアップされそうになったら、特許出願をする

【ノウハウ保護の戦略】

①不正競争防止法上の営業秘密として保護する

・ノウハウの見える化(書面化)を図りながら、営業秘密の保護の要件を充足させる
・特許と表裏一体となるノウハウを営業秘密として保護する
・・・ノウハウ以外の一部を明細書に記載し、ノウハウとなる残部を不記載として、明細書を参照してそのまま作ったら間違ったものができるように、フェイント的な記載を明細書に作っておく
・・・明細書に不記載としたノウハウは、営業秘密として秘匿しつつも書面化を図る

②証拠化

・公証人制度の利用
・タイムスタンプサービスの利用
・見える化(書面化)

③契約による保護

・秘密保持契約
・競業避止義務契約

④先使用権の確保

・出願せずとも、その技術・ノウハウが事業に組み込まれている、あるいは事業の準備が進められていることが証明できれば、他社が同様の特許出願をしたとしてもその技術を使い続けることができる
・権利取得や維持にコストや手間がかかる特許に代わり、技術を守る手段として活用できる
・先使用権を確保するには、a)公証人制度を利用した証拠性確保、b)特許庁ガイドラインに沿って電子文書化してその文書にタイムスタンプ(INPIT)を付与してもらう等が必要となる

 

12.市場参入支援プログラム(契約マネジメント)

・下図の例で示すように、契約マネジメントによって他社知財を活用して、市場に参入する
・あるいは、他社とアライアンスを組んで、他社と技術開発や知財開発を行うことで、コスト上のリスクを低減させる
・これにより、自社の経営資源(人的資源、開発コスト、時間)は別途の戦略に集中することができる

その他の契約マネジメントも、市場参入に必要な限り、適宜用いられる
・ソフトウェア開発委託契約
・技術開発委託契約
・取引基本契約
・・・・・

※契約内容に応じて、適宜、専門家を交えて対応させていただきます

 

13.市場参入支援プログラム(海外展開時の知財計画の提案)

・開発した製品/サービスの海外展開を検討する場合は、以下の事項を検討する必要がある。

14.市場参入支援プログラム(知財権ミックス)

【特許権と意匠権とによる保護】

・例えば、技術とデザインとが交錯する製品は、技術について特許権で保護を図り、デザインについて意匠権で保護を図ることを検討する。
・優れたデザインはブランド力を発揮するから他社も模倣したくなるところ、意匠権による直接的な保護で模倣を防止することができる。
・一方、他社がデザインを変えることで自社の意匠権の権利範囲から外れたとしても、技術面の模倣が特許権の権利範囲に入っていれば、特許権で模倣を防止することができる。

※特許権と意匠権とによる知財権ミックスのメリット

意匠権で保護されたデザインによって製品のブランディングを行って市場を拡大する一方、特許権で保護された技術によってその製品を他社の製品と差別化することができる

【その他】

・ソフトウェアプログラムについて特許権で保護を図り、そのソフトウェアプログラムで表現されるGUIについて発生する著作権による保護を適切に行っていく。
・ある製品の技術について特許権で保護を図り、その技術によって実現される機能・効果について商標権で保護を図り、ブランディングを行う(テクノロジーブランディング)。